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エネルギーと環境

環境問題と燃料電池
 
燃料電池の説明
エネルギーと環境
 我国の「地球温暖化防止」の目標はどうなっているのでしょうか
 世界の「エネルギー」情勢はどうなっているのですか
 「地球温暖化」はどうして発生するのですか
 「温室効果ガス」について教えてください
 「地球温暖化」が進むとどうなるのですか
 「地球温暖化」の防止対策の現状はどうなっているのですか
 私たちがすぐにでもできる家庭の「省エネ対策」と「温暖化防止対策」はありますか
環境問題と燃料電池
 環境問題と燃料電池
 なぜ今、「燃料電池」が注目されているのですか
 「燃料電池」の歴史を教えてください
 「燃料電池」には種類があるのですか
 「燃料電池」関連用語
 「燃料電池自動車」が走る時代がもうすぐに来るそうですが
 家庭用に「燃料電池」が使われるのですか
 燃料電池の仕組みを教えてください
エネルギーと環境
 最近、「異常気象」という言葉をよく耳にするようになりました。
地球の環境は少しおかしいように思いませんか。

アメリカ南部を襲い、大きな災害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」はまだ記憶に新しいと
思います。
日本近海ではくらげの大発生が報告されています。
また、「干ばつ」や「集中豪雨」、「温暖化」など「異常気象」とも思える現象が世界各地から
伝わってきています。
これらの現象はいろいろな要素が複雑に絡み合って発生すると考えられていますが
、「温室効果ガス」による「地球温暖化」が原因の一つとされており、特に「二酸化炭素」
の排出が最も大きいとされています。
「地球温暖化」を防ぐためには、「化石燃料」の使用を減らして「二酸化炭素」の排出量
を減らす必要があります。
私たちが便利に使っている「自動車」は、この排出量が減少するどころか、むしろ増加
しているのです。
経済の急速な発達により、私たちの生活は豊かになり、あらゆるものが電化されて便利
になりました。
しかし、電化されたために私たちが生活によって消費する「電気」が急速に増加して
いるのです。
「電気」は「火力発電所」で「化石燃料」を燃やして電気を作っています、そのために
「二酸化炭素」が排出されます。
この「二酸化炭素」の排出は「化石燃料」使用によるもので、今後、「化石燃料」がなくなる
ことも含めて、私たちは新しいエネルギーを模索していかなければならないときが来て
いるのです。
 石油に頼る現在の生活がこのまま続くと「温暖化」が進み、1990年〜2100年までの
地球の平均気温は1.4〜5.8℃上昇、海面は9〜88cm上昇すると予測されています。
 

 わが国の「地球温暖化防止」の目標はどうなっているのでしょうか
日本は、2008年から2012年の間に、1990年の「温室効果ガス排出水準」から6%削減しなければなりません。
これは「地球温暖化」に関する「京都会議」における「京都議定書」で定められた基準なのです。
しかし、現状ではすでに8%も増加しており、これでは合計14%の削減をしなければならないのです。
また、世界全体で「温室効果ガス排出」を同じく1990年を基準として、2008年から2012年までに5%削減することを目標にしています。
日本では、いろいろなところで「温室効果ガス」の排出削減の努力を続けているのですが、その反面、家庭やオフィスなどでは、依然として排出量が増える傾向にあり、現状では減少するどころか、むしろ増加しているのです。
このように、「京都議定書」における目標達成は決して容易ではなく、政府は「地球温暖化対策推進大綱」を決定し、「地球温暖化対策」への取組みを一層強化することにしたのです
「地球温暖化」の問題は、国や地方公共団体、事業者、そして私たち一人一人が、それぞれの役割に応じて取り組まなければならない大事な問題なのです。

 世界の「エネルギー」情勢はどうなっているのですか
「石油」の埋蔵量の約65%は中東に集中しており、供給が不安定になりやすい現状があります。
一方、「石炭」は世界中に広がっているために安定な供給が可能です。「天然ガス」は未開発な部分もあり、埋蔵量は大きいと考えられています。
しかし、現在確認されている埋蔵量は、

    
     ※注1
「石油」40年
「天然ガス」61年
「石炭」204年 分しかありません。

 わが国のエネルギー消費の約80%は「化石燃料」であり、ほとんどが外国からの輸入に頼っているのです。
そしてこの「化石燃料」は産業用で約40%、交通・運輸で約20%、発電用で約20%消費されているのです。
このエネルギー資源は有限であることは間違いなく、一層の「省エネルギー対策」が求められています。
「環境問題」や「経済性」を考えると、これからは「天然ガス」や「新エネルギー」に頼らざるを得ない状況です。
 この「天然ガス」は、「燃料電池」の主要な燃料源として期待されているのです。


  ※注1:いろいろな数値説があります。
 「地球温暖化」はどうして発生するのですか
「地球温暖化」の最大の原因は、「人口の増加」と「化石燃料」使用による「二酸化炭素」の増加です。
まず、「化石燃料」を燃やして使用することによる増加です。そして現在はこの「化石燃
料」を大量に消費していることです。人口が増えれば、たくさんの燃料が必要になるからです。
また、森林などの減少も「地球温暖化」の原因にもなっているのです。
 人間を始め、動物などは呼吸することで、空気中の「酸素」を吸って、「二酸化炭素」を排出します。一方、植物は空気中の「二酸化炭素」を吸収して、「酸素」を排出してくれます。
昔は「二酸化炭素」吸収のバランスがとれていましたが、人口が増えたり、森林や植物が少なくなると「二酸化炭素」の吸収能力が減少し、バランスが崩れてしまうのです。
 「二酸化炭素」は主に「化石燃料」の燃焼によって発生します。「石炭」、「石油」「天然ガス」などは「化石燃料」と呼ばれており、これらの資源を燃料として、私たちは生活しているのです。


 「温室効果ガス」について教えてください
「温室効果ガス」である、「二酸化炭素」、「メタン」、「一酸化二窒素」、「フロン」などは、太陽からの熱は通過してきますが、その反面、熱を逃がさないのです。
これを「温室効果」と呼んでいます。こうした「ガス」の大量放出により地球の大気中に溜まり、地球の気温が上がる現象を「地球温暖化」と呼んでいるのです。
このうち、「二酸化炭素」による「温暖化」が今、一番問題になっています。

 「地球温暖化」が進むとどうなるのですか
地球の気温上昇は、水不足や水質の悪化を招き、生物の絶滅危機、農作物の不作による食料危機、健康の被害(熱射病、熱中症など)などが起こります。
海水面の上昇は、高潮や洪水を引き起こし、水没によって動植物が危機に陥ることになります。


 「地球温暖化」の防止対策の現状はどうなっているのですか
 全世界の「二酸化炭素」排出量は、1800年以降増加の傾向にあります。
したがって、先進国をはじめ全世界が協力し、「化石燃料」の使用節減、「二酸化炭素」の出ない、または少ないエネルギー資源の活用を計ることが必要です。
 そのためには、新エネルギーである「太陽光発電」、「風力発電」などの「非化石エネルギー」を積極的に使っていかなければなりません。
 「化石燃料」である「石炭」、「石油」、「天然ガス」の中でも、「天然ガス」は「二酸化炭素」の排出量が最も少なく、現在ではこの「天然ガス」が「発電」に使われたり、家庭の給湯や冷・暖房機器などに使用されるようになってきました。

 私たちがすぐにでもできる家庭の「省エネ対策」と「温暖化防止対策」はありますか
1.「天然ガス」を使用する。
  「天然ガス」は、「二酸化炭素」の発生が少ないクリーンな燃料だからです。

2.「電気」を上手に使う。
 具体的な「省エネ対策」としては、
 a. 「照明器具」の上手な使い方に心がける。
   昼間の太陽の光を採り入れる工夫をしたり、効率の良い照明器具を使用し、適正な
   明るさにする。
   また、使わないときには消灯に心がける。

 b. 「エアコン」の設定温度の調節や、断熱カーテンの使用などにより節電に心がける。

 c. 「冷蔵庫」にはあまり詰め込みすぎないで、暑いものは冷ましてから入れる。
   また、ドアの開閉は短時間に行い、冷蔵庫の裏面にスペース(放熱のため)をとり、
   節電に心がける。

 d. 「テレビ」は使用しないときは電源のコンセントを抜く。これは、待機電力の
   節電のためです。
   また、なるべく1台のテレビを家族で見る。そうすると、家族の会話も増えますね。

 e. 「省エネマーク」のついた電気製品を購入する。

 f. 「自家用車」はなるべく使わないで、電車やバスなどの公共交通機関を利用する。
   自家用車の使用では、アイドリングストップの実施や、速度を守り、急発進・急停止
   などの運転は避けるなど、上手な運転に心がける。
   また、なるべく1人で乗らずに、相乗り使用に心がける。

 g. 「ゴミ」を極力減らす、また、「生ゴミ」などは肥料に利用する。


毎年12月は「地球温暖化防止月間」、毎年2月は「省エネルギー月間」です。

今後、私たちは、「省エネルギー」、「省資源」に徹して残り少ない「化石燃料」を子供達、孫達の時代まで残すのと同時に、「地球温暖化」の防止を強力に推進していかなければ、私たちの未来はないのです。

これらの問題を真剣に考え、行動に移していきましょう。

「環境問題」は一人一人の「意識改革」から始まるのです。

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環境問題と燃料電池
 皆さんが便利に使っている「電気」、この電気は発電所で作られ、長い送電線を通して一般の家庭に届くのです。
 「火力発電所」では電気を作るために、「化石燃料」である「石炭」や「石油」「天然ガス」を燃やして熱エネルギーに替え、水を蒸気にしてタービンを回し、発電機で電気を作っているのです。
 私たちが便利に使っている自動車も「エンジン」の中では「ガソリン」や「軽油」を燃やして動力としています。
「化石燃料」を燃やすことにより、「二酸化炭素」や「窒素酸化物」、「炭化水素」などの「地球温暖化物質」や「公害物質」を排出するのです。  
地球の人口増加により、ますますこの傾向は高まり、このままで行くと近い将来は、私たちの生活を脅かすどころか、生存すらも危ぶまれる事態になりかねない事態になると予想されます。
そうなったら大変なことですね。そうならないためには燃やしても「二酸化炭素」や「公害物質」が出ないような燃料を選んで使えばいいのです。
燃やしても「二酸化炭素」や「公害物質」が出ない、または少ない燃料として今注目されているのが「天然ガス」や「水素」です。みなさんの家庭に来ているガスは「天然ガス」が使用されています。しかしこのクリーンな「天然ガス」も「化石燃料」で、近い将来にはなくなってしまうのです。
 現在では電気を作るのに「石油」や「石炭」の使用減らし、「天然ガス」や「自然エネルギー」である風や光、熱、水を上手に利用した「風力発電」や「太陽光発電」「水力発電」「太陽熱発電」などが注目されているのです。
 これからは、いろいろなエネルギーの良いところを生かした使い方で発電する方法が増えてくるでしょう。これを「ベストミックス」と呼んでいます。

1.環境問題と燃料電池
 「地球温暖化」や「化石燃料」枯渇など、今やエネルギー問題は地球規模で深刻な問題であり、「化石燃料」に替わる「新エネルギー」の模索という大きな問題に直面しています。
 全世界がこの「代替エネルギー」に取り組み、一刻も早く地球環境を守ることが急がれているのです。
 わが国においても「新エネルギー政策」を推進し、新エネルギーの開発を官民一体となって推し進めています。
 その中でも「燃料電池」は、これからの「電源」として注目されているのです。
 「燃料電池」は英語でFuel Cell(フューエル・セル)と言います。まさに「燃料電池」となります。この「燃料電池」は、今、なぜ注目されているのでしょうか。
 それでは、この「燃料電池」について少し調べてみましょう。

なぜ今、「燃料電池」が注目されているのですか。
「新エネルギー」の中でも、今「水素」が注目されています。そして「水素」を燃料として発電する「燃料電池」は、「地球温暖化対策」、「分散型エネルギー」を併せ持つものとして期待されているのです。
今日、「燃料電池」は「自動車用燃料電池」を始めとして、「家庭用燃料電池」の開発が急ピッチで進められています。
「燃料電池」で用いられる「水素」は、「太陽光発電」や「風力発電」などの「自然エネルギー」で電気を作り、豊富な「水」から電気分解などで作ることができますし、他のエネルギー資源から改質・転換して製造することもできるのです。
 「燃料電池」は燃料を燃やすのではなく、直接化学反応させて「電気エネルギー」を取り出すことができるのです。燃やしてエネルギーを取り出すのではないので、「汚染物質」はほとんど出ないのです。


「燃料電池」の歴史を教えてください。
 「燃料電池」が発明されたのは、今から約160年前の1839年、イギリスのグローブ卿が行った電池の実験が始まりとされています。この電池の実験には、理科の実験でおなじみの「水の電気分解」の逆で、電気を発生させるものだったのです。
しかし、この当時ではわずかな電気しか発生しなかったのと、実用化する動きもなく、この原理は長い間眠っていたのですが、宇宙開発に伴って「燃料電池」は日の目を見るようになったのです。
宇宙船の中では燃料を燃やすわけにはいきません、そこでジェミニ宇宙船やアポロ宇宙船などの宇宙船の電源に使われ始めたのです。
「燃料電池」が排出する「水」を宇宙飛行士の飲み水として使用することもできる大変便利な電池なのです。
そして、現在は自動車や家庭の電源として開発が進められているのです。


燃料電池の歴史
1839年  Grove 卿(英)により世界初の燃料電池の発電実験成功。
1965年  ジェミニ計画(米)にて、ジェミニ5号に固体高分子型燃料電池を搭載。
1969年  アポロ計画(米)にて、アポロ11号にアルカリ水溶液型燃料電池
 を搭載。   ⇒今日のスペースシャトルに至る。
1980年代  ムーンライト計画(日)により、りん酸型、溶融炭酸塩型燃料電池の
 開発スタート。
1983年  バラード社(加)が新しい高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池の
 開発に成功。
1989年  バラード社とドイツのダイムラー社が車載用燃料電池として共同開発
 をスタート。
1997年  ダイムラー社/フォード社がバラード社に資本参入。
 〈世界各国自動車メーカーの燃料電池車開発に拍車がかかる〉
2002年  トヨタ自動車、本田技研が世界初の燃料電池自動車を販売(リース)。

「燃料電池」には種類があるのですか。
 「燃料電池」には、電解質などの種類により、
1. リン酸形燃料電池
2. 溶融炭酸塩形燃料電池
3. 固体酸化物形燃料電池
4. 固体高分子形燃料電池
 の4種類があります。
「溶融炭酸塩形」、「固体酸化物形」は高温・高効率であるために、電気事業用として用途があります。また、「リン酸形」、「固体高分子形」は低温・小型であるために、分散型電源としての用途があります。
その中でも、「固体高分子形燃料電池」は、特に小型化できるため、家庭用の電源や自動車用などに用途があるのです。
最近では、この「固体高分子形燃料電池」は携帯電話やノートパソコンなどの電源としても用途が広がろうとしています。


種類 電解質 発電出力 動作温度 用 途
固体高分子型
(PEFC)
固体高分子膜 〜100KW 常温〜80℃ 携帯用、
自動車用、
家庭用等
リン酸電解質型
(PAFC)
リン酸 〜1,000KW 160〜210℃ 業務用、
工業用等
溶融炭酸塩型
(MCFC)
溶融炭酸塩 1〜10万KW 600〜700℃ 工業用
分散電源用等
固体酸化物型
(SOFC)
安定化ジルコニア 1〜10万KW 900〜1000℃ 工業用
分散電源用等

燃料電池」関連用語
燃料電池:米国で開発されたデバイスで Dry Cell(乾電池) に対してFuel Cell
と言われ

       
その直訳で燃料(Fuel)、電池(Cell)と命名された。 
       
実際には電池ではなく発電装置である。

名称 正式名称 説明
PEFC Polymer Electrolyte Fuel Cell 固体高分子膜型燃料電池
PEM Proton Exchange Membrane イオン交換膜
(プロトンのみ透過する膜)
固体高分子膜、電解質膜
とも言われる
MEA Membrane Electrode Assembly 電解質膜と電極(含む触媒)
が一体化した膜
・電極接合体(燃料電池の心臓部)
セル Cell 発電できる最小ユニット
スタック Stock セルを複数重ねて一体化したもの
「燃料電池自動車」が走る時代がもうすぐに来るそうですが。
 「燃料電池自動車」は、「固体高分子形燃料電池」から直接電気を取り出し、モーターを回して走行する自動車のことです。排出するものは「水」だけですから、非常にクリーンな自動車なんです。
 また、走りながら発電するために、「電気自動車」のようにバッテリーに充電することもありません。
また、「燃料電池」は電気を発電するのに回転部分がないために、すり減ったりしませんし、音も静かなんです。


家庭用に「燃料電池」が使われるのですか。
 家庭用には「燃料電池」の中でも、小型で取り扱いやすい「固体高分子形燃料電池」が適しています。
また、「燃料電池」は発電するときに水や熱も発生しますので、この熱でお湯を作ることができるのです。
家庭では「電気」と「お湯」ができるので便利ですね、このシステムを「コージェネレーションシステム」と呼んでいます。
 燃料として使う「水素」は、「都市ガス」や「メタノール」、「プロパンガス」、「灯油」、「ガソリン」など、いろいろな燃料から改質して作ることができます。

燃料電池の仕組みを教えてください。
「燃料電池」は、「水の電気分解」の逆を利用して、「水素」と「酸素」を反応させて電気エネルギーを直接取り出すものです。燃やして電気を発生するものではないので、出てくるのは「水」だけなのです。
「燃料電池」は、電極、触媒の板と高分子膜を重ね合わせてセルを構成します。
一組のセルからは約0.7Vの電圧が発生します。
高い電圧を得るためには、重ね合わせて使います。
セルを数枚重ね合わせた物をスタックと呼んでいます。

 図は、燃料電池の構造を示したものです。

燃料電池発電のしくみ
個体高分子型燃料電池

固体高分子型燃料電池
資料提供大同メタル工業株式会社 
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