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「燃料電池学習キット」を製作して、将来のエネルギー問題を考えよう
今日、地球の「異常気象」や「環境破壊」などが問題になっていることは、すでに皆さんご承知の通りですね。
この現象はいろいろな要素が複雑に絡み合って発生すると考えられていますが、「温室効果ガス」による「地球温暖化」が原因の一つとされています。
「温室効果ガス」の中でも、特に「二酸化炭素」排出の影響が最も大きいとされていま
す。そのためには、「二酸化炭素」の排出量を減らす必要があるのです。
私たちが便利に使っている「自動車」は、「排気ガス」が減少するどころか、むしろ増加しています。また、私たちの生活は、あらゆるものが電化されて便利になりましたが、消費する「電気」は増える一方です。
「電気」は「火力発電所」で「化石燃料」(石油、石炭、天然ガス)を燃やして電気を作ります、そのために「二酸化炭素」が排出されるのです。
私たちは今後、「化石燃料」がなくなることも含めて、「新しいエネルギー」を模索していかなければならないときが来ています。
そこで、これからの燃料として今、注目されているのが「水素」です。「水素」は燃焼すると水に変わり、水は再び「水素」と「酸素」に分けることができます。
そして、この「水素」を燃料とする「燃料電池」は有害な排出物を出さない、夢の電源として注目されています。
「燃料電池自動車」や「家庭用燃料電池」など、これからのエネルギー社会を担う「燃料電池」とは、どのようなものでしょうか。 |
ここでは、この「新エネルギー」を学習するキットをご紹介します。
このキットの名称は「燃料電池学習キット」です。
この「燃料電池学習キット」でどのようなことが学習できるのでしょうか。
1. 「太陽電池」「水の電気分解」「燃料電池」の学習が、このキット1台でできることです。
2. 「太陽電池」の原理・構造・実験そして性能評価まで学習できます。
3. 「水の電気分解」の実験を通して原理を学習できます。
4. 「燃料電池」の原理・構造・実験そして性能評価まで学習できます。
5. 独立電源の「燃料電池」として、「太陽電池」で作られた電気で「水の電気分解」を行い
「水素」を発生させて「燃料電池」で発電、そしてモータを動力として自動車を走行させる
トータルなシステムの学習ができます。
6. 「燃料電池」には「リバーシブル燃料電池」(水の電気分解と発電の両方ができる燃料電池)
が使われていますので、特別な装置は必要なく「水の電気分解」や「燃料電池」の学習ができます。
7. 構造が簡単で、理解しやすいように工夫されています。
8. 実験するための機器類が全て含まれており、内容が充実しています。
9. 歴史・原理・構造・実験・評価まで網羅された詳細なマニュアルがついています,
また初心者にもわかりやすく解説されており、教員の学習指導や、独学で学ぶ人に
大変わかりやすい参考書となっています。
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それでは、具体的に製作と実験で何が学べるかをあげてみます。
1. 太陽電池について
@ 光の「日射強度」の測定を行い、光をエネルギーとして理解できます。
A ソーラーセルの「発電原理」(PN接合、光起電力効果)を理解できます。
B ソーラーセルの「出力特性」を、実験を通して調べることができます。
C 太陽電池の「発電効率」について、実験を通して理解できます。
2. 水の電気分解について
@ 水の電気分解の実験で、電気分解の化学的原理を理解できます。
A 水素・酸素の性質を、実験を通して理解できます。
B 「燃料電池」を使った「水の電気分解」を行い、ガスの定量分析やガスの発生量、
効率を調べることができます。
C 「太陽電池」を使った「水の電気分解」を行うことによる光の影響を調べることができます。
3. 燃料電池による発電について
@ 「燃料電池」の構造・発電のしくみについて、実験により理解することができます。
A 「燃料電池」の歴史について理解できます。
B 「燃料電池」の発電効率を、実験を通して理解できます。
以上のように、この「燃料電池学習キット」を使用すれば、エネルギーに関する知識をトータル的に学習することができます。
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それでは、「燃料電池学習キット」を組み立ててみましょう
(写真の組み立て順序はマニュアルに載っている順序と異なるところがあります。詳しくはマニュアルを参考にしてください) |
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1.燃料電池(リバーシブルタイプ) |
2.導線(120mm2本、250mm2本) |
3.ギアモータ |
4.ギアシャーシー |
5.ガス収集箱 |
6.車軸 |
7.タイヤ&車軸 |
8.太陽電池 |
9.太陽電池支持台 |
10.注射器 |
11.チューブ |
12.マルチメーター |
13.試験管 |
14.安全めがね(ゴーグル) |
15.目盛りシール |
16.燃料電池部品
(クランプ2・コネクター2・プラグ2・バナナプラグ赤黒各8・糸車・糸・ネジ・注射器用プラグ・ギア止め座金) |
17.電気部品 抵抗(4.7Ω、10Ω、20Ω、22Ω各1個)
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組立て作業 |
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タイヤをホイールに取付けます |
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反対側も同様に取付けます |
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前輪車軸部の完成です |
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前輪をシャーシーに取付けます
(少々きついですのであまり力強く押し込まずゆっくりと押し込んで下さい) |
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ネジを締めます |
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後輪の車軸にホイールを取付けます |
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シャーシに後輪の車軸を通します |
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反対側のホイールを取付けます |
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足回り部分の完成です |
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水素、酸素の収集容器を取付けます |
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燃料電池にチューブとプラグを取付けます
取付けた状態です |
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取付けた状態です |
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燃料電池をシャーシに取付けます |
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シャーシ金属端子部分にバナナプラグを差し込みます
(この時差し込むのにきついですので無理をせずゆっくりと取付けて下さい) |
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反対側も同様に取付けます |
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太陽電池パネルをシャーシに取付けます
(嵌め合いですのむりをせずゆっくりと取付けて下さい無理をすると樹脂部分が破損する可能性がありますので気をつけて取付けて下さい) |
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太陽電池パネルを取付けた状態です |
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太陽電池パネルの配線を端子部分にします
(この時も差し込むのにきついですので無理をせずゆっくりと取付けて下さい) |
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同様に反対賀の端子部分にも配線します |
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完成です |
「太陽電池」「水の電気分解」「燃料電池」の実験と組み上げた自動車の走行するまでを見ていきましょう。
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[太陽電池を使っての実験]
◇はじめに
実験1 ソーラーカーの組立
実験2 明るければ明るいほど速い
◇明るさ・光エネルギー・日射強度
◇バイパスダイオードとは
実験3 短絡電流と開放電圧
◇電化・電流・電圧
実験4 光度計の調整
実験5 直射光と反射光
実験6 太陽光の一日の周期
◇導体・絶縁体・半導体
◇PN接合
◇ソーラーセルの原理
実験7 太陽電池の出力特性T-V カーブ
◇抵抗の直列接続と並列接続
◇エネルギー、仕事、出力
◇最大出力点とFF(曲線因子)
◇ソーラーセルの作り方
実験8 太陽電池の発電効率
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[水の電気分解]
◇安全に実験を行うために
実験9 水の電気分解
実験10水素の確認
◇水の電気分解T
実験11タンクの目盛り表示
実験12燃料電池の組立
実験13燃料電池で水の電気分解
実験14ガスの定量分析
◇水の電気分解U
実験15ガス発生量の測定
実験16電圧と電流の測定
実験17水の電気分解効率
◇仕事・仕事率・モル
実験18電気分解における光の影響
実験19水を完全に分解しきる
実験20燃料電池にどれだけの水があったか
実験21太陽光での水の電気分解
実験22タンクのガスは何時まで残るか
◇電気分解まとめ
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[燃料電池を使っての実験]
◇水素の安全性
実験23動くぞ!
◇燃料電池の原理と種類
◇発電のしくみ
◇燃料電池の歴史
実験24モーターを回して発電できるか
実験25その他の方法
実験26発電量を測定する
実験27車の回転半径
実験28空気中の酸素を使う
実験29クレーンを動かす
実験30クレーンの力
実験31クレーンのエネルギー
実験32燃料電池の開放電圧と短絡電流
実験33燃料電池の発電効率
実験34ソーラーと水素で動くハイブリッドカー
◇将来に向けて |
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実験
(写真の実験は、マニュアルの順序と異なるところがあります。詳しくはマニュアルを参考にしてください) |
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太陽電池の発電の様子
(室内のためハロゲンランプで太陽電池パネルに照射しています)
ハロゲンランプを太陽電池パネルに近づけすぎますとハロゲンランプの熱で太陽電池パネルが変形破損しますので注意して下さい |
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水の電気分解の様子
(これはハロゲンランプを近づけすぎの例です)
右側に水素、左側に酸素が2:1の割合でたまっていきます |
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燃料電池の発電の様子
写真のテスターはキット同梱品とは違います |
トータルシステムでの走行の様子 |
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燃料電池で発電、モータを廻しています
動画はこちら(音付き) |
燃料電池で発電、モータで走行しています
動画はこちら(音付き) |
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この「燃料電池学習キット」を使用すれば、エネルギーに関する知識をトータル的に
学習することができます。
これからのエネルギー社会を考える上で、非常に参考になるキットであると思います。
「環境問題」や「将来のエネルギーのあり方」を考えてみましょう。
住野 和男 |
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